LCCなどで旅行費用をかしこく抑えたり、受託手荷物を受け取る時間が惜しいとき、機内持ち込みだけで済ませられるととても便利。でも、そのために選ぶスーツケース、実は荷物の量によってベストな選択が変わってきます。
特に迷うのが、PCなどの出し入れに便利な「フロントオープン」タイプか、収納力重視の「シンプル」なタイプか。この二つ、同じサイズ表記でも体感としての容量が大きく変わることがあります。
ここでは、そんなLCCのスーツケース選びで後悔しないためのポイントを、実体験を交えて解説します。機内持ち込みとして本当に使いやすいスーツケースについて、荷物が多い人、少ない人、それぞれにおすすめのタイプをみていきます。

わたしが持っている実際のスーツケースの写真も合わせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください!
LCCのスーツケースは機内持ち込みで節約!

LCCでの旅行は、スーツケースを機内に持ち込むか預けるかで飛行機代が変わってきます。というのも、通常の場合は荷物を預けると追加料金がかかってしまうのです。
また、手荷物を受け取るのに意外と時間がかかるため、短期間の旅行だと貴重な時間が削られてしまいます。できる限り効率的にやりくりしたいところです。
この章では、LCCの手荷物ルールから、意外とかさばる短期旅行の荷物について、そして自分に合ったスーツケースの選び方までを簡単に解説していきます。
LCCの受託手荷物は有料
LCCの魅力といえば、なんといってもその運賃の安さ。セールなどをうまく使えば、フルキャリアに比べてぐっと安く旅行に行けたりします。
ただ、注意したいのが手荷物のルール。大手航空会社だと一定のサイズ・重さまで無料のことが多い受託手荷物(カウンターで預けるスーツケース)が、LCCでは基本的に有料オプションなのです。
もちろん、たくさんお土産を買って帰りたい旅なら、追加料金を払って大きいスーツケースを持っていくのが安心。でも、1泊2日の弾丸旅行や、荷物がそこまで多くない旅なら、機内に持ち込める手荷物だけで済ませてしまうのが、旅費を賢く節約する最大のコツです。
短期旅行でも荷物は意外と多い
「1泊や2泊の旅行であれば、荷物なんてそんなにないはず」と思いがちですが、これが意外とそうでもありません。
スキンケア用品やコスメは一式持っていく上に、ヘアアイロンやドライヤーも持っていきたい。そんな風に準備していると、あっという間に荷物は膨れ上がります。
特に、私のように「ないと不安だから、とりあえず一通り持っていきたい!」というタイプの人は、想像以上に荷物が多くなりがちです。限られた機内持ち込み用スーツケースのスペースを、いかに有効活用するかが重要になってきます。
スマートな取り出しやすさが魅力!フロントオープンタイプ

旅行での移動中、空港でパソコンなどをサッと取り出したい場面って意外と多いのですが、そんな時にこの「フロントオープンタイプ」のスーツケースは便利です。すっかりメジャーになって、よく見かけるようになりました。
スーツケース全体を広げなくても、必要なものにすぐアクセスできるのが大きな魅力なのですが、この形ならではのメリットとデメリットがあります。この章では、そんなフロントオープンタイプの便利な仕組みと、購入前に知っておきたい注意点を合わせて解説していきます。
PCもサッと取り出せる!構造とメリット
LCCでサッと気軽に小旅行に出るなら、機内持ち込みサイズのスーツケースはマストアイテム。中でも『フロントオープンタイプ』は、その名の通りスーツケースの前面がパカっと開く構造になっているのが特徴です。主に平たいものが入れやすい構造になっています。こんな風に開きます。

空港のカフェや移動中の新幹線で「ちょっとPC作業したいな」なんて思った時、スーツケースをわざわざ全開にしなくても、立てたままサッと中身を取り出せるのが最大のメリットでした。PCバッグを別に持つ必要がありません。
特に、旅先でも仕事をする場合や、ガイドブックや書類をすぐに取り出したいときには、この上なく便利な機能です。
パッキング時に知っておきたい容量の注意点
PCやガイドブックなどをサッと取り出せる『フロントオープンタイプ』。とても便利なのですが、実際に荷物を詰めてみると、意外な落とし穴があります。
それは、フロントオープンポケットの分だけ、メインの収納スペースが少し狭くなってしまうこと。よく考えてみれば当たり前なのですが、ポケットがある側の内側は、そのぶん底が浅くなっている構造でした。
実際に見ると分かりやすいのですが、フロント側はこのような内側の構造になっています。フロントポケットの裏の部分は平たいものくらいしか入らなくて、ポケットがない下の方だけはもう片方と同じ深さものが入れられる、という感じです。

ドライヤーやヘアアイロン、厚手の服などを入れようとすると、この部分に物を入れられないことが響いてきます。逆にこの溝みたいになっているところに入れたものは潰れにくいというメリットあるのですが、一長一短ですね。
こんな人にはフロントオープンがおすすめ!
もちろん、フロントオープンタイプが持つスマートな魅力はたくさんあります。空港の保安検査場でPCを取り出すときや、新幹線の中でちょっと仕事をしたいときなど、スーツケースを全開にしなくても必要なものにアクセスできるのは、本当に便利でした。
このタイプのスーツケースがおすすめなひとは、荷物が少なめで、かつPCやガイドブックなどの出し入れが多い人です。わざわざPCバッグを別に持たなくても、スーツケース一つでスマートに移動できます。
一方で、私のように「念のため…」と、ついつい荷物が多くなってしまうタイプの人や、衣類をたくさん持っていきたい人は、容量を確認して買ったはずなのになぜか荷物が入りきらないという状況に陥るかもしれません。
荷物が多くても安心!パッキングしやすいシンプルタイプ

昔からあるシンプルなタイプのスーツケースは、実は荷物が多いひとにとって大きな味方になります。実はスーツケースの内部構造の違いは、そのままパッキングの向き不向きを大きく左右するのです。
この章では、デッドスペースが生まれにくく、見た目以上にたくさん詰め込める「シンプルタイプ」のスーツケースについて、その構造とメリットからみていきます。
隅々まで無駄なく詰める!構造とメリット
LCCで追加料金なしの旅をしようと思うと、機内持ち込みサイズのスーツケース選びがとても重要になります。特に1泊や2泊の短い旅行でも、意外と荷物は増えてしまいがちです。
最近よく見かける『フロントオープン』タイプのスーツケースは、フロントオープン部分があることで、スーツケース内部に凹凸ができてしまいます。一方で、真ん中からパカっと開くだけのシンプルなタイプのスーツケースは、内部がすっきりとした箱型なので、デッドスペースが生まれにくいのが大きなメリット。
収納スペースがシンプルな箱状なので、隅々までぎゅっと荷物を詰め込むことができます。パッキングが苦手な私としては、難しく考えなくて済むのも嬉しかったです。
しっかり入るシンプルな収納スペースが最大の魅力
実は私も、最初はノートパソコンを持ち運ぶのに便利かなと思い、フロントオープンタイプのスーツケースを選びました。でも、ドライヤーやヘアアイロンといった、どうしても旅先に持っていきたいかさばる荷物を入れようとすると、どうにも収まりきらなくなってしまいました。
そこで思い切って、同じ機内持ち込みサイズでシンプルな構造のスーツケースに買い替えてみたところ、私には合っていたようです。フロントオープン部分に取られていたスペースがまるまる収納に使えるので、冬服でもスーツケースにギリギリ入りきるくらい余裕をなんとか作ることができました。
このように、左右に均等なスペースが確保されています。荷物が多い人にとって、この「あと少し」が入るかどうかは、旅の快適さを左右する大切な要素です。


どうしてこんなに荷物が増えるのかと思うんですが、でもやっぱり持っていきたくなっちゃうんですよね…。
こんな人にはシンプルタイプがおすすめ!
スーツケースはタイプによって使い勝手が大きく変わります。『旅先には一通りのものを揃えて持っていきたい』『帰りのお土産スペースも少し欲しい』『細かいことを考えず、ざっくり荷物を詰め込みたい』と考えるなら、シンプルなスーツケースを選ぶのがおすすめです。
ただし、荷物がもともと少ない人や、移動中にPCやガイドブックなどを頻繁に出し入れしたい人にとっては、メインの収納部分が減ったとしてもフロントオープンタイプの方が便利に感じるはず。最終的には、旅行のスタイルに合わせて選ぶのが一番です。

私みたいに両方持っている派は泊数で使い分けるのが良いのですが、どちらかだけならより自分のタイプに合った方を購入するのがおすすめです!
後悔しない!LCC用スーツケース選びのコツ

LCCなどで手荷物持ち込みしたいスーツケースを選ぶとき、チェックすべきポイントさえ押さえれば、失敗なく快適な旅の相棒が見つかります!スーツケースは価格も高めでサイズもかさばるので、買う前のポイントチェックが大切です。
ここでは、まず守るべきサイズ・重量の基本、次に意外と見落としやすいキャスターの性能、最後に私が使っている具体的なおすすめスーツケースと、順を追って解説していきます。
まずはここから!基本のサイズ・重量規定をチェック
LCC(格安航空会社)を利用して旅行費用を賢くおさえたいと考えたとき、1泊や2泊の短い旅行で、お土産もそこまで多く買う予定がないなら、機内持ち込み手荷物だけで済ませるのが一番リーズナブル。でも、ここで注意したいのが、機内持ち込み手荷物のサイズと重量には厳しい規定があるということです。
ここで、普段わたしが良く利用しているエアアジアと、その他何度か利用したことのある各LCC、さらに参考としてメジャーなフルサービスキャリアを一覧にしてみます。基本的に、持ち込み荷物の規定はメイン1つ+小さい身の回り品1つという構成がほとんどですが、今回はスーツケースに焦点を当てているので、身の回り品については含みません。
航空会社 | サイズ(メインの荷物) | 重量(身の回りの品との合計) |
---|---|---|
エアアジア | 高さ56cm x 幅36cm x 奥行き23cm以内 | 合計7kgまで |
タイガーエア | 長さ54cm x 幅38cm x 高さ23cm以内 | 合計10kgまで |
ピーチ | 3辺の合計が115cm以内 | 合計7kgまで |
ANA | 55cm × 40cm × 25cm以内 または 45cm × 35cm × 20cm以内*1 | 合計10kg以内まで |
JAL | 55cm × 40cm × 25cm以内 または 45cm × 35cm × 20cm以内*1 | 合計10kg以内まで |
*1:100席未満の機材の場合
一般的な規定としては、3辺の合計が115cm以内で、重さが7kg~10kgまでという航空会社が多い印象です。ただ、これはあくまで目安。規定はたまに変わるので必ず搭乗前に航空会社の公式サイトで最新の情報を確認するようにしてください。サイズや重量のチェックは航空会社どころか担当者によって厳しさが違うというのが正直なところなのですが、当日カウンターで高額な追加料金を支払うことになってしまう可能性があります
とはいえ、スーツケースのサイズ規定が大きく変わったという話は聞いたことがないので、購入時にはそこまで神経質になる必要はないと思っています。スーツケースのメーカー各社も『機内持ち込みサイズ』と銘打って売っていることも多いので、まずは容量で目星をつけてから、最終的にサイズを確認して購入すると安心です。

大体34Lサイズあたりが持ち込みできるサイズの限界ですね。
移動の快適さが段違い!「キャスターの滑らかさ」
スーツケースの容量やデザインに目が行きがちですが、実はそれと同じくらい大切にしたいのが『キャスター』の性能。特に、空港内や駅からホテルまでの移動で意外と引いている時間が長く、キャスターがスムーズに動かないと、それだけでどっと疲れてしまうからです。
最近のスーツケースは、2つのタイヤが1組になった『ダブルキャスター(双輪キャスター)』が。ダブルキャスターは旋回性に優れていて、取り回しやすいのが大きなメリット。また、静音性に優れたキャスタータイプなら、早朝や深夜の移動でも周りを気にせず静かに移動できるので安心です。
せっかくの楽しい旅行ですから、移動中のちょっとしたストレスもなくしたいもの。スーツケースを選ぶ際には、ぜひキャスター部分にも注目してみてください。通販でも、ほとんどの場合はキャスター部分もきちんと仕様が載っているので分かりやすくなっているはずです。
現在活躍中のスタイル別・おすすめスーツケース
機内持ち込みサイズのスーツケースには、大きく分けて2つのタイプがあります。それは、パソコンなどをサッと取り出せる『フロントオープンタイプ』と、左右にパカっと開く昔ながらの『シンプルタイプ』です。
私も最初は、ノートパソコンの出し入れに便利そうだと思ってフロントオープンタイプを選びました。でも、フロントオープン部分の機構がある分、メイン収納の容量が少し狭くなってしまいました。海外旅行での二、三泊となると、ドライヤーからヘアアイロンまで何かとかさばるアイテムを持っていきたい私にとっては、このわずかな差が致命的でした。
そこで思い切って、同じ容量表記のシンプルタイプを買い足してみたところ、これがとてもちょうどよいサイズでした。左右両方に無駄なくスペースを使えるので、荷物が驚くほどすっきりと収まります。これを機に、二つのスーツケースを今では使い分けています。
一泊程度の旅行ならフロントオープンタイプ

もともと荷物が少ない方や、旅先で書類やPCを頻繁に出し入れする方にとっては、フロントオープンタイプはぴったりです。肩が凝るのでなるべく重い物は持ちたくない派としては、出すのは簡単、でも肩に負担をかけなくて済むというこの仕組みは最高でした。
特にカラバリが多いこのシリーズは空港でも目立つので、分かりやすくて便利です。一泊の旅行であれば今でもこちらを持っていきます。
ちなみに、この隙間にはよくお土産に買ったお饅頭など潰れてほしくないものを入れています。他のものと混ぜたくないものや、分かりやすいところに入れておきたいものを入れる場所としてもおすすめです。

二、三泊程度の旅行ならシンプルタイプ

フロントオープンタイプは大好きなのですが、それでも荷物が入りきらなければ意味がありません。二泊以上の場合や買いたいお土産がある程度分かっているときは、収納力の方が重要です。
買い足したシンプルタイプのスーツケースは、私のように何でも持って行ってしまうタイプの人間でも二、三泊の小旅行分の荷物が入りきりました。内側のチャックを締めると蓋の役割を果たしてくれるので、立てたままちょっと開けて物を出すこともできたりします。

まとめ

- Q機内持ち込みスーツケースを選ぶとき、一番のポイントは何?
- A
フロントオープンタイプのスーツケースはどんな人におすすめ?
PCや書類をサッと取り出したいスマートな旅をしたい人
移動中に仕事道具などを出し入れする頻度が高い場合に便利ですが、メイン収納は少し狭くなるので注意も必要です。
- Qシンプルタイプのスーツケースはどんな人におすすめ?
- A
収納力を重視する人やパッキングが苦手な人
隅々まで荷物を詰められる大容量が魅力ですが、PCなどを取り出すには都度スーツケースを全開にする必要があります。
- Q結局、スーツケース選びで一番大切なことは何?
- A
自分の荷物の量や旅のスタイルを想像して選ぶこと
どちらのタイプにもメリット・デメリットがあります。どういう旅をしたいかで最適なスーツケースは変わります!
スーツケースは存在感も抜群なので、どんなスーツケースで旅に出るかは重要な要素です。自分の荷物の量の傾向と旅の途中でどんな風に過ごすのかをあらかじめイメージして選べば、買ってから後悔する確率がぐっと下がります。

旅のスタイルや荷物の量に合わせて、最適なものを選んでみてくださいね!